家族のかたち

40代夫婦、特別養子縁組で家族が増えました。

もう二度としたくないこと

二度と同じ後悔はしたくない、と強く誓う自分がいます。

若い頃は、こどもを作ることを後回しに考えてました。今やりたいことがいっぱいある。経済力もまだまだ不安定な今こどもができても困る。ぐらいのもんでした。

きっとあのころは「不安」だったんだと思います。未知なる不安(子育て)や、自由な時間とお金を奪われるであろう不安。今思えば、周りが言ってくれていた「なんとかなる」なんでしょうが、私たちは後回しにしてしまったのです。

治療するようになって、その頃のころの自分を後悔するようになりました。だからこそ、養子を迎えることについて他人にどう言われようと、ブレずに自分たちの信じる人生を歩みたいと思います。

経験のないことは不安はつきもの。でも、それで諦めるなんてもったいない。きっとそれ以上に楽しいことはたくさんあるはずです。今の私たちに「不安だから諦める」という選択はないんです。

夫婦って、血の繋がりはないのに、この世の中で一番信頼できる人になってるからすごい。この人に出会って本当によかった。

決断には時間が必要

同居の両親に養子を迎えたい意向を伝えることができました。

義母とは、これまで何度か話す機会があって、はじめは養子について背中を押してくれるぐらいだったのが、回を経るごとに気持ちが後退していった感じ。やっぱり、一筋縄ではいかない気配が漂ってました。

正式に話をしたとき、義母からは「夫婦二人の人生でもいいんじゃない?」が開口一番でした。あー、そっかぁ。日が経てばたつほど、そうなっていくのかなぁ?

一番の難関と思っていた義父も、最初は同じことを言ってましたが、夫が揺るがず、自分たちの気持ちを伝え続けた結果、なんとか同意を得ることができた。

安心したのもつかの間、日が明けるともう少し考える時間が欲しいと言われました。子どもを迎えたら同居家族になるので、自分たちも血の繋がった孫のように接することができるか?そこがまだ決断しきれないようでした。

とは言え、研修の申込みが迫ってるので、急いで考えてもらうことに。今回の研修を逃すと、次は来年5月。どんどん、私の年齢も上がっていきます。

私の両親は快く同意。娘を全面的に応援してくれてるのだと思います。焦らず、慎重に、時を待ちます。どうか、家族全員の同意を得られますように。

気持ちは変化していく

「養子を迎える方向で検討しよう」

この考えにいたるまで、私自身相当時間を費やしました。決して思いつきなんかじゃない。覚悟がないと出せない結論です。

ただ、ここに結論づくまで紆余曲折あった私たち。意外だったのは、「もし養子が難しかったら。籍が入れられない里子を養育するのも考えたいね。」と夫が言い出したこと。もちろん、これには私も同意見でした。

緊張と不安でいっぱいでしたが、児童相談所でしっかり制度についての説明を聞いてよかったです。(夫のがたくさん質問してました)

 

ただ、これからさらに大きな壁、義父に「養子を迎えたい」と話さなくてはなりません。どうか、私たちの気持ちを理解してくれますように。

「お子さんは?」という言葉

結婚してるという話からの流れで、「お子さんは?」と質問されることがあります。

お子さんはおいくつ?なのか、お子さんはいらっしゃるの?これから?のどっちかだと思うけど、治療をしてる頃の私は、この質問をされるのが辛くてたまらなかった。(もちろん今でも)

まだです、と答えると、「早く作らなきゃダメよ。」と必ず言われるですが、『私だって欲しいよ、早く!』と、心の中で叫びながら、笑顔で「そうですね~」って答えるのが必死でした。

遊び呆けていた20代のころはウザイと思うだけで済んだ言葉も、30代になって子どもが欲しいのにできないと悩んでる時に言われると、傷つかないわけがありません。でも、言ってくれる方も悪気はないのでしょう。

治療を諦めてから、その辺の気持ちが少し整理できたきがします。吹っ切れた、のかもしれません。今年になって、年配の方から「お子さんは?」と言われることが度々ありました。

「まだまだ大丈夫よ、48歳で初産の人も知人でいるから。子作り諦めないでね。」と励ましてくださったり、「ごめんなさいね。(こどもはいないけど)あなたはご主人の仕事を支えて素晴らしいわね。」とお褒めの言葉をいただいたり。

いわれたことは全く逆なんだけど、おふたりからいただいた言葉が本当に有り難くて。今の私には、素直に受け取ることができました。勝手に傷ついて、勝手に自分を責めて、勝手に落ち込んでたこれまでの私が懐かしいですね。

これから、新たなご縁があるのか、夫婦ふたりの人生になるのかわかりませんが、これまで自分を責めてきた分しっかり浄化しながら、気持ちの整理も少しずつ進めていきたいと思います。

里子、養子をテーマにした漫画

里子・養子をテーマに描かれた漫画をみつけました。

「おうちへおいで!!すべての子供に家庭を」

アプリで見つけて読み始めたのですが、最初の方は2歳の子を里子で迎える話、その後、別の家庭が赤ちゃんを養子で迎える話でした。続きはあるのかまだわかりません。

物心がついた子供を迎えるのも、赤ちゃんを迎えるのも、それぞれに、不安はあると思う。漫画にも描かれていたように。

私も、不安が全くない、0%というわけじゃないんです。でも、一歩進んで、どんどん進んでいくうちに、きっと出会う人や時間や、出会う子供たちによって気持ちは変化していくと思う。今は、そう思ってます。

赤ちゃんを迎えた夫妻の気持ちの変化が描かれていて、最後涙が滲みました。良いタイミングでこの漫画に出あえてよかったです。

 

児童相談所(面談・制度説明)

(養子は)100%ありえないと言っていたのが信じられませんが、「養子という方向で進んでみよう」と夫は気持ちが変化してきました。

いよいよ児童相談所での面談日。児童相談所の担当の他にも2名同席され、里親制度について詳しく説明してもらいました。頭ではわかっていたことでも、実際担当の方に実情を伺うと、精神的にかなりダメージを受けました。いろんな背景を背負ったこども達が世の中にはたくさんいるのですね。それでも私たちは、前へ進んでいこうという気持ちが互いに固まりました。

年2度行われる里親登録前研修は、次回は秋開催。担当者からは、登録まで1年はかかる、と言われました。そして、現在数十組の委託待ちのご家族がいること、その中でも「養子」としての委託は数が少なく、年に1~2例とのこと。

待ってる間に年齢が規定に達して、あきらめられる方や特養ではなく養育に切り替えるケースも多かったり、確実なところを求めて民間団体に切り替える方も多いそうです。

いろいろ聞くと、不妊治療と同じように難関な道です。でも、進むしかない。

夫婦の気持ちとはじめの一歩

不妊治療などしなくても(考えなくても)こどもを授かる人はいる。

そして、不妊治療でこどもを授かる人もいれば、授からない人もいる。

治療をしても授からなかった私には、投資した金額と時間や期間の膨大さと、成果の出なかった現実を受け入れるには、かなりの時間が必要だった。

あきらめたら終わり。いつもなら、そう言ってあきらめずに頑張り続ける私たち夫婦だけど、こればかりは難しかった。

ただ、こんな状況になった今でも、こどもが欲しいという気持ちは薄れることはない。

夫は、「夫婦ふたりの人生」を提案してきたけど、私はもうひとつ、最後の望みに掛けたかった。それが特別養子縁組でこどもを迎える、こと。

夫は、100%反対(拒否)。何度話し合いをしても揺るがない。でも、義母からの後押しもあって迎えた話し合いでようやく、「ちょっと考えさせて」と言ってくれた。意外にも限りなくYESに近い返事だった。

YESに切り替わるのか、やっぱりNOとなるのか、詳しい話を聞いて判断したいとのことで、児相に早速問い合わせ、夫婦での面談日が決まりました。

この先どうなるかわからないけど、一歩踏み出してみます。